食品偽装問題や中国産の商品がはびこる昨今、スーパーの野菜もどこで作ったものだか信用できない。農薬もどれだけ使っているかわかったもんじゃない。なんとか幼い孫には安全で安心な食べ物を食べさせてあげたいんだけど…。
なんてお考えの方、一番確実なのは自分で作ることです。自分で作ったら、自分が全行程を見ているのでこれほど確実で安全な野菜はありません。無農薬でもなんでも自由にできます。なんといっても自分が作った野菜を孫が食べてくれる感慨はひとしおです。
私の父もヒマを持て余して始めた野菜づくりですが、がんばって作った野菜を孫が食べてくれることで、今ではすっかり生きがいになっています。私も野菜を買うお金が浮いて大助かり(笑)。
しかし、一言で野菜作りといってもなかなか難しく、それなりのクオリティのものを作るのにはそれなりに勉強と手間が必要。父の野菜作りも最初からうまくいったわけではありませんでした。
孫に手作りの野菜を食べさせてがっかりされたじいじの話
私の子供はまだ幼いころ、野菜が嫌いで米とパンと肉とお菓子ばかり食べていました。なんとか野菜を食べさせたいと思って手を変え品を変え工夫するのですが、毎回見事に発見されます。みそ汁に潜ませたほんの小さな小松菜のかけらですら指をさして「んん!(訳:これを取り除きなさい)」と要求してくる毎日。
そんな中、私の父が仕事を定年退職して野菜作りを始めました。動機は私の子供の様子を聞いていたことでした。「野菜を食べんのは、売ってる野菜がマズいからやろ?」という、当時の私からしたら決めつけにもほどがある言い分でしたが、とにかく父は「俺の作った野菜の方がおいしい」という謎の自信とともに、見様見真似で野菜作りを始めました。ちなみにそれまで農業の経験はゼロで、クワを握ったこともありませんでした。
最初の夏に収穫したのはトウモロコシ。収穫して最初に向かったのはもちろん孫のところ。孫はトウモロコシが好きだったし、収穫したトウモロコシは、見た目はそこそこだったので、自信があったんでしょうね。
しかし、とれたて、ゆでたてでおいしいに違いないトウモロコシを、あろうことか孫は一口かじってベッと吐き出しました。「どうしたの?」と聞くと「おいしくない…」との返事。
「えぇっ!?」と目に見えて同様する父を横目に、私もかじってみました。おお…味がない…。全然甘くないんです。集中するとかすかな甘みは感じられるものの、限りなく無味に近い味。こんなトウモロコシは初めて食べました。
いったいどんな育て方をしたらこうなるのか? トウモロコシは甘いのが当たり前だと思っていましたが、当たり前ではないということを初めて知りました。ふつうにスーパーで売っているトウモロコシは、誰でも作れるわけではありません。一定の技術が必要なのです。
あのときの父の落胆した顔は忘れられません。
しかし父はそこであきらめませんでした。野菜作りの本を買い込み、肥料や道具もあれこれそろえ、めげずに野菜を作り続けました。そのかいあって、1年後に作ったトウモロコシは、孫がかぶりついて「おいしい!」と言ってくれました。そのときの父のうれしそうな顔といったら(笑)。
そしてびっくりしたことに、その年に作ったほうれん草を、孫が食べたんです。それまでまったく食べなかったのに…。
慌てて父に報告したら「おお…! そやろ! スーパーで売ってる野菜よりうまいやろ!」と俄然自信がわいてきたようでした。
今では父から定期的に野菜のお裾分けをもらいます。子どもが食べられる野菜の種類も徐々に増えて、今ではほとんどの野菜が食べられるようになりました。当時はやや疑いの目で見ていましたが(笑)、今では父に感謝しています。
あとから知ったのですが、野菜のおいしさの要素では、新鮮さの占める割合がとても大きいのです。つまり、
①素人の父が作った、取れたての野菜
②プロが作った、収穫して一週間たった野菜
②プロが作った、収穫して一週間たった野菜
では、①の方がおいしいのです。それだけ新鮮さは重要な要素で、素人が作った野菜でも新鮮でさえあれば立派においしいということです。
ただ、このことを父に伝えても、「そんなことない、俺の腕がいいからや」と言うんですけどね(笑)
野菜づくりには勉強が必要
私の父の例でもわかるように、なんとなく土を掘って種を植えたら野菜ができるわけじゃありません。勉強することは山ほどあります。たとえば農業大学校だと通常2年コースです。ズブの素人がひととおりの知識と技術を身に着けようと思ったらそれぐらいかかるんです。
でも、いくら孫の喜ぶ顔が見たいからといったって、そこまで時間をかけてまではちょっと…と思いますよね。
そこで、サクッとお手軽に野菜作りが上達できる学び場を紹介します。それはシェア畑です。
シェア畑とは
シェア畑は一種の貸し農園です。イメージとしては市民農園を思い浮かべてください。区画があって、小さな畑で野菜を育てることができて、作った野菜は持ち帰れて…といったイメージですね。
しかしただの市民農園ではありません。その内容はいわば進化版ともいえるもの。
利用者数は20,000人超。都市圏に点在しているので、家から自転車で通える人も多いです。そして何よりサポートが超充実! 市民農園ではとてもできない至れり尽くせりの内容で、早足で野菜作りを学べてしまいます。
シェア畑はこんな人にオススメ!
・孫に安全安心な野菜を食べさせたい
・お手軽に野菜作りを学びたい
・せっかく作るなら無農薬の野菜を作りたい
シェア畑のメリット
無農薬栽培だから安全!
シェア畑では化学農薬を一切使いません。堆肥や油かすなどの有機質肥料を使って自然の力で野菜を育てます。収穫した野菜はその場で丸かじりできるぐらい安全・安心!
とにかくお手軽
特にありがたいのが、材料をすべて用意してくれていることです。種も肥料も資材も農具もすべてそろっています。だから手ぶらでいって手ぶらで帰ってくることができます。あえて用意するものといえば長靴ぐらいですね。他はなんにもいりません。とっても楽ちん。
ふつうの市民農園では用意してくれないので、なんでも自分で買ってこなければいけません。そのたびに増える荷物、かさばる出費…。シェア畑ならそういったことを考える必要がありません。
さらに、上達スピードという点でも有利です。何かやろうとしたとき、市民農園だと「資材を買ってまた次回」になりますが、ここでは全部用意されているのでその場ですぐに試せます。思い立ったら即実行!
また立地も魅力です。シェア畑は都市圏にたくさんあります。東京、神奈川、千葉、埼玉、そして大阪。特に東京近郊に住んでいる人なら、必ず近くにあります。だから自転車で通える人も多いはず。ためしに探してみてください。
なんでも聞ける先生がいる
シェア畑をオススメする最大の理由がこれです。
市民農園でもときどき栽培講座のようなものはありますが、たまにしか開かれずアドバイスを聞く機会は限られています。
しかしシェア畑では週4~6日菜園アドバイザーが常駐しています。だから質問のし放題。そこでたとえば肥料をもっとやるようにと指導されても、「メリット② とにかくお手軽」で書いたように何もかも用意されているのでその場での改善・修正が可能です。だから始めたばかりでも孫に胸を張れる野菜ができますよ。
もう一つ言うと、無農薬って本来、とても難しいんです。なぜ農薬を使うかというと、野菜が害虫に食われないためです。虫食い野菜でもいいのなら無農薬でできますが、穴ぼこだらけの野菜なんて誰も買ってくれませんよね。だから無農薬をやりたがる農家ってあまりいません。
でも、ここではみんな無農薬で野菜を育てることができています。もともと虫が少ないという好条件もあるのでしょうが、やはり先生に聞けることで、最初から上手に虫がつかない方法で育てられるというメリットが大きいと思います。だから先生は本当にありがたい存在です。
シェア畑のデメリット
料金が割高
利用料は3~10㎡で月8,000円程度です。
(場所によってバラツキがあるので、利用を申し込む前に必ずその場所の料金をチェックしてください。こちら↓からチェックできます)
(場所によってバラツキがあるので、利用を申し込む前に必ずその場所の料金をチェックしてください。こちら↓からチェックできます)
貸し農園だと思うと高いように感じるかもしれません。事実、市民農園より高いです。
たしかに、失敗を気にせず、のんびりゆったり家庭菜園をやるなら市民農園でも十分です。しかし、一から材料をそろえたり自分で勉強したりする時間をまるごとショートカットできるので、手早く上達したい人からするとむしろ市民農園よりコスパはいいです。
借りる広さの目安はどのくらい?
これから始めるなら10㎡もあれば十分です。何種類かの野菜が並行して作れます。
やる場合は少量ずついろんな種類を植えてください。野菜は実りだしたら食べきれないくらいの量が取れます。一種類だけで全部植えてしまうと、収穫の時期が一度にやってきます。大量の野菜の山を見つめて「これ…どうやって食べきるの…?」と愕然とするハメになります。そうならないためにも少量多品種を目指しましょう。
まずは下見にいってみよう
さて、これまでシェア畑の解説をしてきましたが、やっぱり実際に見てみないとなかなかイメージがわかないと思います。
・農地の広さはどれくらい?
・どんな農具が揃ってるの?
・先生はどんな人?
・本当に1年目から立派な野菜ができそう?
・どんな農具が揃ってるの?
・先生はどんな人?
・本当に1年目から立派な野菜ができそう?
こういったところ、気になりますよね。
利用を検討する場合は、まず下見をすることをオススメします。見学はタダでできます。実物を見ないで申し込んで、「思っていたのと違った…ガッカリ…」とならないためにも、必ず下見はしてください。
特に重要なのは菜園アドバイザーとの相性です。菜園アドバイザーはこれから先生になる存在ですから、事前に感触は知っておいた方が安心です。実際に見学して、先生との相性がイマイチだなと思ったら違うシェア畑を見に行ってみましょう。
なお見学会が開催されているときは予約不要で見学できます。それ以外の時期は予約が必要です。ちなみにどちらも無料です。
予約したい場合はこちら↓からできます。
予約したい場合はこちら↓からできます。
まとめ
子どもに安全安心な野菜を食べさせたい。食品偽装問題などがはびこる今の世の中でそう思うのは自然なことです。そのための手っ取り早い方法は自分で作ること。
しかし自分で作るといっても、最初は素人にはなかなか難しいもの。私の父のように、がんばって作った野菜を孫に吐き出されてはせっかくの苦労が水の泡(笑)。今回は要領よく野菜作りを学べる場としてシェア畑を紹介しましたが、たしかなものを食べさせることができれば、手段はなんだっていいわけです。子どもに安全な野菜を食べさせる未来のためにも、手の届く範囲からトライしてみてください。
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