都会vs田舎 自然災害の影響比較

阪神淡路大震災、東北大震災、熊本地震…
自然災害は身近に起こりうるものです。もしかしたら明日にでも。
今回は、自然災害の影響について、都会と田舎を比較してみます。

自然災害の影響比較① 住まいの安全

都会は地震で倒壊・津波で飲み込まれるといった危険性がありますが、それ以外で家そのものが危険にさらされることは基本的にありません。

しかし田舎では、それに加えて、海が近い場合は津波、山が近い場合は土砂崩れの危険性があります。津波は誰もが知っていますが、土砂崩れは意外とあまり意識されません。

土砂崩れの危険性

2016年の熊本地震2014年の広島豪雨災害が示すように、土石流に飲み込まれたら家は跡形もなくなってしまいます。一般の民家は何トンもの圧力に耐えられるようにはできていません。山の近くに家を構えるのであれば、最低限その山が岩でできているか、それとも土でできているかはチェックしておいてください。岩の方が強いです。

また、家の下の地面が直接崩落することもあります。崩落すると、たとえそれが一部であって、家が倒壊していなくても、危険なため退去を迫られる事態を招きます。高台の端っこで起きやすい現象ですが、これも地盤がしっかりしていれば起こりにくいです。

周囲の地盤は家を構える上で結構重要で、地盤が脆かったり山が崩壊しやすいような立地に家を構えると、台風や大雨のたびに避難放送が流れ、避難所に退避しなければならなくなります。

これから田舎に引っ越そうとしている人は、手に入れようとしている土地やその周辺の地盤について近隣住民や不動産屋さんに聞いておいた方がいいです。本格的な人だと自分でボーリング調査を行って確かめる人もいるぐらいです。

川の氾濫の危険性

さらに川の近くも危険です。

大雨による氾濫で家が浸かってしまうことがあります。土石流と違って家そのものが流されることはありませんが、床上浸水してしまうと大抵の家電はパー、家の中は泥だらけになり、元の状態に戻すのにとんでもない労力がいります。

これは近隣住民に聞けば簡単にわかるので、田舎に引っ越すならその前に聞いておくことをオススメします。
「大雨が降ると田んぼがよく浸かる」という返事が返ってくるようなら危険です。

古民家は災害に弱い

古民家の購入を検討している、またはすでに住んでいる人は、耐震設計がなされていないことに注意する必要があります。
大きな地震が起きると、古民家が倒壊している横で〇〇ハイムのような現代建築の住宅が倒壊を免れているような映像を目にします。

「古民家」っていうとなんだかレトロでいい響きですが、見方によっては「古い家」です。耐震とか免震の概念がない昔の技術で作られているので、現代建築に比べて脆弱です。

耐震診断や耐震改築に補助金を出している自治体もあります。それでも全額を賄えるわけではなく、自己負担は必ず発生します。

古民家の購入を考えている人は、こうしたことも頭に入れて選択をしてください。

自治体の対策は間に合っている?

身もふたもないことを言うと間に合っていないから自然災害が起きるんですよね。

ですが自治体を責めるのは酷というもの。「ちょっと地盤補強をしよう」「ちょっと川の堤防をかさ上げしよう」などと口で言うのは簡単ですが、実際にやるとなると億単位またはそれ以上のお金がかかります。田舎の自治体はどこも貧乏で、年間予算が数十億程度しかありません。

「人の命はお金に換えられない! 市民の命を守るのは自治体の役目じゃないのか!」という意見があります。それは正しい。正しいのですが、正しいかどうかと現実的に可能かどうかは別の問題です。ない袖は振れないのです。

そのため、どこの自治体もお金のかかるハード対策はそこそこに、お金のかからないソフト対策に力を入れています。避難路誘導シールを街角に貼ったり、安全な避難所への避難を呼びかけたり。

こういったハード面での脆弱さはいくら自治体を責めてもすぐには解決できません。住む場所は自分で確かめて選びましょう。

総合的にみると、住まいの面では都会の方が安全であると言えます。

自然災害の影響比較② 生活面

生活面においてははっきり田舎の方が有利です。

都会はインフラが止まったらアウトです。食べ物、水、移動手段、すべて手に入らなくなり、復旧や援助を待つしかなくなります。

今でも地震などで電車やバスがストップすると、駅に座り込んで再開を待つ人や、徒歩で数時間かけて家に帰った人の話がニュースで取り上げられます。

都会は、高度に専門化・分業化されているため、自分で何もかも供給するのは不可能で、生活インフラを含め「他者から供給されるサービス」がつつがなく動いていること前提で生活が成り立っています。

一方、田舎は都会と比べて自分でできる範囲が広いため、自分次第でなんとかなることが多いです。

食べ物は農業をやっていれば自前で供給できます。水に関しても、公共の水道がないところは自分たちで水を引いているので、断水しても自分で直せます。電車が止まっても、田舎は車移動なのでほぼ影響がありません。家の修繕も、簡単なものなら自分でできてしまいます。

ただし電気だけは自分で供給するのは困難です。オフグリッドにしていれば別ですが、なかなかそこまでやっている家はありません。

このように、生活面においては、自分でできる範囲の広い田舎の方が有利です。

しかし、1点だけ特に田舎が弱い点があります。それは交通インフラです。

田舎は交通インフラが脆弱

山の中の地域になると、幹線道路が一本しかないというのはザラです。そのたった一本の道路が土砂崩れで埋まってしまったら、その村は簡単に孤立してしまいます。脱出するには険しい山の中を歩いてくるしかありません。今でもときどき流れますよね。土砂崩れで集落が孤立し、物資をヘリで運ぶことになったというニュースが。アレです。

これが大規模災害になると、山奥に限らず、まあまあな地方都市でも起こる可能性があります。

おまけ話:自主防災組織のこと

自主防災組織とは、住民が自ら防災活動を行うための団体です。行政が行う「公助」、自分で自分の身を守る「自助」に対し、自主防災組織は住民どうしがお互いに助け合う「共助」の精神で成り立っています。田舎で有事の際にはこの自主防災組織は頼れる存在です。

防災に力を入れている地区だと、ほとんど行政の防災対策に近い働きをします。定期的に防災訓練を行ったり、避難所に備蓄食料や無線通信機を用意したり、避難路の設定・周知を行ったり・・・それなりに費用も手間もかけてがんばっています。

あの東北大震災でも自主防災組織は活躍しました。地震直後の混乱の中で行政がすぐに全地域をケアするのは事実上不可能です。そんな中、地区でストックしていた備蓄食料や毛布、避難場所を避難者に提供したりして、行政が来るまで持ちこたえていました。

ただし、頼りにしすぎるのも考え物です。地域によって防災意識の違いは激しく、中には自主防災組織とは名ばかりでほとんど機能していないところもあります。地区のトップの意向が大きく反映されるので、区長が防災に力を入れていないとあまり期待できません。

基本は「自分の身は自分で守る」ことを忘れないでください。

おわりに 災害時に用意しておきたいもの

都会と田舎、どちらにいても危険はあります。どちらが有利でどちらが不利といった極端な差はありません。あえて言うなら、命の危険性がより高いのは自然がより身近な田舎の方といえます。一方都会では、命の危険は少なくても、非常時で周りのサービスに頼れなくなったとき、まったく自分でカバーできないため不便です。

いずれにしても24時間耐えしのげば何かしらの援助が来るとされています。
それまで耐えられるぐらいの最低限の装備は常にストックしておきましょう。

・水
・塩分

このあたりは言わずもがなですが、他にはこのようなものがあります。

・携帯の充電器(電池式)
電池と一緒に備えておきましょう。ちなみにバッテリー式はダメです。停電した避難所で、貴重な発電機の電気を何百人もいる避難者一人ひとりに分け与える余裕などありません。必ず電池式を選んでください。
充電器に限らず、電気を使うものを揃えるのであれば、充電できるコンセントがないという想定で選んでください。

・ポータブルトイレ
被災地で地味にものすごく困るのがトイレ問題です。東北大震災で実際にあったケースですが、避難所でトイレの水洗が流れず、バケツから便器に水を流す必要がありました。ところがお年寄りはもったいない精神が強く、バケツ一杯の水を使わなければいけないところを、バケツ半分の水で流したりします。すると次の人が使うときに詰まって逆流して…あとはわかりますね。ウ〇コまみれのトイレで用を足したくなかったらポータブルトイレは備えておいたほうがいいです。

・オムツとおしりふき
小さな子供がいる人は必須。理由は言わずもがなです。小さな子供はトイレをガマンしてくれませんから。

何の前触れもなく急に起こるのが災害です。自分の身を守れるのは自分しかいないという意識で備えてください。

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