「田舎暮らしを始めると健康になる」のウソ

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「田舎暮らしを始めてから風邪を引かなくなりました」

はい、よく聞く話ですね。
青い空の下、緑の山々に囲まれて、毎日おいしい空気を吸って…
田舎暮らしというとこんなイメージを思い浮かべることもあり、「田舎に住むと健康になる」という言葉に反対する人はあまりいないと思います。
ですが、この言葉は必ずしも正確ではありませんし、まかり間違うとウソになってしまいます。なぜなら大事なロジックが抜け落ちているからです。
大事なロジックとは何か? 以下、解説していきます。

 

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必ずしも「田舎に住む=健康」ではない

今回のお話は、元からある程度健康な人を対象にしています。
なので、たとえば「空気や水のおいしいところに住んで、病弱だった子供がごはんをよく食べるようになった」というケースは別の話です。
ご了承の上お読みください。
元からふつうに健康だったら、田舎に行ってもそれほど健康増進効果は見込めないでしょう。なぜなら、田舎に移住して健康になる人は、農業や林業といった体を使う作業、つまり運動を常日頃からやっているからです。運動するから代謝が活発になり、適度にお腹が減り、夜もぐっすり眠れるというわけです。
この場合、健康の正体は「田舎暮らし」ではなく「適度な運動」です。
「田舎に移住して健康になった!」という人がいたらよく話を聞いてみてください。必ずといっていいほど体をよく動かしているはずです。
ということは、いくら田舎に移り住んだからといって、運動をしなければ健康増進には役立たないということです。
「でも、田舎暮らしをすると誰でも体くらい動かすでしょ?」

そう思うでしょう。けどそうとは限らないんですね。
いませんか? 田舎暮らしを考えていると言いながら、事務系の雇用を探している人。
同じPCに向かうなら、都会でも同じ、いやそれどころか都会の方がまだ運動しています。
なぜなら田舎の人は歩かないからです。都会だと通勤だけで数キロ歩きますが、田舎はすべて車移動です。ドアツードアです。この生活に慣れるとなるべく歩かずに済ませようとします。家から100m離れたコンビニに行くのでさえ車を使います。同じサラリーマンなら間違いなく都会の方が日々の運動量は多いです。
ならサラリーマンのかたわら家庭菜園はどうか。健康という観点ではあまり効果がありません。運動量がそれほど多くないからです。
このように、田舎に住むだけで無条件に運動するようになるわけではありません。
となると、田舎で健康な体を手に入れるには、ある程度ガッツリ農業や林業その他体を動かす作業を日常的に行う必要があります。

すると次に「なにで食っていくの?」という課題が出てきます。

農業や林業で生活するには覚悟が必要

すでに仕事を引退するなどして、自由に使える時間とお金がある人は、まあいいでしょう。好きなときに農作業をやって、別にそれで食っていけなくてもかまわないわけです。
問題は働き盛りの人です。
家族を食わせていかなければならないというときに、安定した雇用を蹴って農林業の世界に飛び込むのは、勇気がいります。
農業と林業、どちらもリスキーな仕事です。体が資本なので、ケガなどで動けなくなったら一貫の終わり、それきり収入は途絶えてしまいます。
そのリスクをわかった上で農林業に従事するという選択ができるか? よく考えてみてくださいね。

それ以外で体を動かす仕事に就くことができれば、安定して食っていくという面では一番いいですけどね。移住希望者の案内人とか、地域おこし協力隊とか。

参考:
「田舎で働く」シリーズ

ですがくれぐれも、健康維持という理由だけで安易に移住を決意するのはやめたほうが賢明です。

まとめ

覚えておいていただきたいのは、
▲「田舎暮らしをすると健康になる」
○「日常的に体を動かすと健康になる」
ということです。
健康は何物にも替えがたい財産ですが、健康になる方法は一つではないのです。
もとからある程度健康な人が、少し健康診断で悪い判定が出たからといって、健康を取り戻すために田舎暮らしを考え始めるのは尚早です。
まずは自分の生活を改善することから始めましょう。

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