田舎で働く 猟師(マタギ)という仕事

ド田舎にいると、野生動物をよく見かけます。

野生動物がどうして人里近くに下りてくるかというと、人の作った作物を食べるためです。

これは鳥獣害といって、農家にとっては深刻な被害になっています。
なんせ作物は植えたからと言ってすぐお金になるわけではありません。収穫するまでは、短いものでも1~2ヶ月、長いと半年以上かかります。その間、病気になったり、動物や鳥に食べられたり、虫に襲われたり、大雨や台風でダメになったりと、いくつものリスク要素があります。

どれも深刻な問題ですが、農家の人は特に野生動物の被害(鳥獣害)に頭を悩ませています。

参考:
鳥獣害って何? 田舎の人はシカが大っ嫌い!

「誰かあの動物たちをやっつけてくれないかなあ…」

→「俺に任せろ!」

さあ、猟師の出番です。
猟銃を持って山に入り、にっくき動物たちを狩るのです。

それはさながらリアルモンスターハンター。リアルドスファンゴ(イノシシ)やリアルキリン(シカ)を遠距離攻撃で狩るのです。

今回は、そんな猟師という職業を紹介します。

猟師の種類

猟師には大きく分けて3種類います。
銃、罠、網です。

①銃猟師

一般的に猟師と聞いて想像されるのはこちらです。
猟銃を持ち、山に入り、野生動物を狙撃します。
志す人の目的の大部分は、「銃で狩りをしてみたい」という、趣味としての狩猟です。欧米ではよりメジャーですね。

②罠猟師

檻などの罠を仕掛けて、入ってきた動物を捕らえます。
こちらは趣味ではなく、必要にかられて志す人が多いです。農家が、被害をもたらす害獣を自らの手で捕らえるためにやっています。
銃と比べて手間や費用はだいぶ少なくて済みます。

③網猟師

主にスズメやヒヨドリなどの鳥を捕まえる猟師。
仕掛けた網で一網打尽にします。
3つのハンターの中でたぶん一番数が少ないです。鳥はあんまりお金になりませんしね。

猟師になるには?

正確には「今すぐ狩猟をできる状態になるには?」です。
以下の記事にまとめましたのでご覧ください。

猟師(マタギ)になるために 狩猟免許取得などの手順まとめ

初期費用は、全部込みでざっと以下のとおりです。
銃 20~40万円
罠、網 7~15万円
このほかランニングコストとして、毎年3~6万円ぐらいかかります。

猟師はどれくらいの収入があるの?

さあ、一番気になるお話ですよね。
どれくらい儲かるのか?
これ1本で食っていけるのか?

結論から言うと、収入はトップクラスの人で年に500~1,000万円。
ハンター1本で食っていくことは十分可能です。

ただし条件付きです。
その条件とは、狩猟報奨金が高い自治体を選ぶことです。

狩猟報奨金とは?

シカ、イノシシ、サル。
これらの動物を撃つと、行政から狩猟報償金が出ます。他の害獣でも出ますが、この3種類は単価が高いです。

アナグマやハクビシンなどの小動物だと、出ても3,000円ぐらいですが、シカ、イノシシ、サルを仕留めると、5千円~3万円ぐらいになります。

なお、趣味で狩猟をやる人は、普段はほぼイノシシ、鳥、あとたまにシカぐらいしか撃ちません。他の動物は食べられる肉が少ないので、貴重な弾をわざわざ消費してまで狙う動機がないのです。

しかし、それだと農家は困ります。

「イノシシだけじゃなくて、シカやサルの被害もひどいんだからなんとかしてよ!」

というわけで、農業被害を抑えるために行政が懸賞金を掛けているんですね。

そしてこの懸賞金(狩猟報償といいます)、金額が全国一律ではなく、町によって違います。また、銃と罠でも違うことがあり、おおむね銃で仕留めたときの方が高いです。どんな方法だろうと同じ一頭なのに…

狩猟報償の目安はこんな感じ。

シカ 5,000~30,000円
イノシシ 5,000~30,000円
サル 10,000~30,000円

自治体HPなどにはあまり載ってませんが、電話するとふつうに教えてくれます。同じ成果でももらえるお金が違うので、狩猟で生計を立てるなら、自治体選びや方法選びは重要です。

先ほど、猟師一本で食っていくには狩猟報奨金の高い自治体を選ぶことが重要だと言いました。
猟師で食っていくことを考えるなら、単価3万円の自治体を狙ってください。また、銃と罠で金額が同じところの方がベターです。
同じ一頭を仕留めるのでも、報償が1万円と3万円だと稼ぎやすさが3倍違います。

狩猟による収入の種類

狩猟報償

先ほど挙げたので説明は省略します。
狩猟報償をもらうには、仕留めた証拠として自治体に写真と動物の一部(耳や尻尾)を提出する必要があります。1~2か月後にお金が振り込まれます。やったね!

耳と尻尾を提出すれば、あとは自分のものです。

肉販売

ジビエ肉を販売するのも大きな収入源です。

参考:
ジビエ肉って何?おいしいの?

ただし、自分で直接消費者に肉を販売することはできません。一般流通させられるのは、きちんと衛生管理がなされ、各種基準をクリアした加工場で加工された肉だけです。そこでジビエ工場に買い取ってもらうことを考えます。

ジビエ工場が近くにあればラッキーです。仕留めたシカやイノシシを血抜きして持ち込むだけで、肉の重量に応じてお金がもらえます。狩猟報償+ジビエ販売で、手間なく一頭で二度おいしい。

ただし、衛生上の理由で、仕留めて30分?2時間以内に持ち込まないといけないという制限があります。この制限は②罠猟師に圧倒的に有利です。①銃猟師は山の中に入って狩りをします。獲物を仕留めたとしても、山から下ろすのは重労働な上に時間がかかって制限時間内に持ち込めないので、諦めてしまいます。ところが②罠猟師は、畑の近く(=車が入ってこられるところ)に罠を仕掛けます。仕留めてから車に乗せるまでの時間が短いので、制限時間に間に合います。そのため、狩猟報償+ジビエ買取で稼ごうと思ったら、②罠猟師がオススメです。

加工品販売

骨や皮もやり方によっては売り物にできます。上手な人なら一頭で5?10万円の収入を上げることができます。
参考:ヤフオク!「鹿の角 刀掛け」で検索

猟師のこれから

大部分の猟師は趣味の領域を出ていません。趣味で撃って、お金ももらえるからモチベーション上がるわーぐらいのもんです。

対して、純粋に職業として、本気で稼ぎにいっている猟師はほんの一握りです。しかも猟師は高齢者が多く、これから10年ぐらいで激減します。猟師が減るということは、一人あたりの縄張りが増えるということ。はっきり言って狙い目の職業です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です