過疎地域で町おこしをやりたい人への注意点

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この記事は過疎地域で町おこしをやりたいと思っている方にお届けします。
過疎地域に乗り込む前にぜひ読んでいってください。

まず、田舎の人は過疎をあまり実感していません。

意気込んで田舎に移住してくる人は「田舎は過疎化や少子高齢化で困っているだろう。自分が乗り込んでいって助けになってやるんだ」ぐらいの意気込みで乗り込んでくる人もいます。

その心意気は素晴らしいです。

ただし、田舎の人との認識の違いはしっかり頭に入れておかなければいけません。

田舎の人は過疎や高齢化で困っているわけではない

「そんなわけないでしょ。少子高齢化とか過疎化ってどこでも言ってるじゃん」

本当にそうでしょうか。

よくよく見てみると、少子高齢化や過疎化の話をしているのは、ニュースに出るような偉い人ばかりではないでしょうか。

一般のお年寄りは本当に深刻な問題ととらえているのでしょうか。

みな、過疎や高齢化のことを「認識」はしています。

「若い衆はみんな外に出ていくなあ」
「周りは年寄りばかりだなあ」

でも、それを深刻な問題と捉えているわけではありません。なぜなら彼らには直接的・即効的な不利益がないからです。

人が少なくなっていっても、周りがお年寄りばかりになっても、現状、彼らは困っていません。ご飯は食べられるし、昔からの友人は近くにいるし、とりあえずの不便はありません。

「そんなこと言っても、今のままじゃ近いうちに立ち行かなくなるのはいくらなんでもわかるでしょ?」

そう考える人は、まちづくりに関心のある人です。一般の人にはそういうマクロ視点はありませんし、自分たちの問題であるにもかかわらずどこか他人事です。

サラリーマンの人は自分の会社に当てはめて考えてみてください。学生の人は大学やバイト先で構いません。

会社(大学、バイト先)の将来を真剣に考えたことがありますか?

会社(大学、バイト先)が将来に渡って存続していくにはどうしたらいいか。そのために自分は何をするべきか。

経営者でもない一社員が、危機感を持ってその問題に向き合うことはあまりないのではないかと思います。

ほとんどの人は自分の部署、自分の周りしか見えていないのではないでしょうか。現状、給料はもらえているし、給料が出なくなるとわかったら別の勤め先を探すまでです。まさか会社と運命を共にしようとは考えないでしょう。

そう考えると納得しやすいのではないかと思います。村のお年寄りが過疎化に関心を持たないのは、ヒラ社員が経営視点を持たないのとまったく同じです。

こういうところに「俺がこの村を救うんだ!」ぐらいの意気込みで乗り込んできた若者が、地域のお年寄りに「まあまあ、そんなに頑張らなくていいよ」とか「あんたも大変だねえ」とか他人事のように言われ続けて、やる気をなくしちゃったというケースはよくあります。

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町おこしはいらないのか

「町のみんながそんな考えなら、町おこしはしなくていいんじゃない?」

ここまで読んでいただいたら、こんな疑問が湧いてくるでしょう。

町おこしはいらないのか。

その答えを言う前に、なぜ町おこしをするのかを考えてみましょう。

町おこしはなんのため?

町おこしの目的はなんでしょう。町を盛り上げるため?

ではなぜ町を盛り上げるのでしょう。盛り上げた先には何があるのでしょう。

盛り上がった町と盛り上がらなかった町は、どんな違いが出てくるのでしょう。

そう考えると答えが見えてきます。

盛り上がった町には人が来ます。面白いことをやっているという噂を聞きつけて、自分もその面白いことに参加したいと思う人は一定数現れます。

そうこうするうちに、ここに住んで今度は自分が中心になって盛り上げてやるんだという人も出てくるでしょう。

一方、盛り上がらなかった町には人が来なくなります。何もしないと住民の数も減っていきます。都会に出ていったり、高齢で亡くなったり。

人が減るままにしておくとどうなるか? 最後は人口がゼロになります。行き着く先は町の消滅です。

外から見てなんとなく「この町、元気がなさそうだな」と思ったら、きっとそれは当たっています。それは面白いことが起こりそうな片鱗が見当たらないからです。さらに「これはヤバイ…そのうち滅ぶ…」と思ったら、きっとそうなるでしょう。

さて、盛り上がらないと最後には町が消滅するであろうことがわかりました。

ここで最初の問いに戻ります。

「町のみんながそんな考えなら、町おこしはしなくていいんじゃない?」

この問いに対する、私なりの答えはこうです。

「町が消滅してもいいとみんなが考えているのなら、町おこしはいりません。ですが、その町を存続させたいと願うならば必要です」

町おこしは、町を存続させるためにやるのです。

まとめ

田舎のお年寄りに自分の住んでいるところの感想を聞くと「いいところなんかなんにもない」「私たちの代で終わりだ」といった答えがよく返ってきます。

ここには後世に残す価値のあるものなんて何もないし、町が消滅してもしょうがないと思っているのです。

では、その町は消滅してもいい町なのか?

消滅させたくないと思っている人は一人もいないのか?

本当に後世に残す価値がない町なのか?

そんなわけないんです。
町が今後も生き残っていってほしいと願う人は必ずいるし、後世に残す価値のあるものは必ずあります。

でも、すべての町が生き残るわけではありません。今でも田舎からは少しづつ人が減っているし、この傾向は今後も続きます。

そんな環境で生き残れるかどうかは、その町を存続させたいと思う人たちの情熱にかかっています。

好きな町はありますか?
その町がずっと残っていてほしいと思いますか?

両方ともイエスなら、町を存続させたいと思う人が一人はいるということです。
どんな偉業だって、どんな大きなプロジェクトだって、最初はたった一人の声から始まるんです。

声を上げましょう。すべてはそこから始まります。

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